夜勤でワンオペ介護って大丈夫?ワンオペ介護を徹底分析

はじめに

介護士が夜勤をワンオペで行うことが日常化している現代社会において、ワンオペ介護に関する懸念が高まっています。ワンオペ介護とは、1人の介護士が複数の高齢者や患者を一人でケアする状況を指します。

この記事では、ワンオペ介護の定義や適法性、そしてその弊害について徹底的に分析していきます。ワンオペ介護は、介護士の負担が極めて大きく、心身の健康にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に夜勤でのワンオペ介護は、長時間労働や過度のストレス、睡眠不足などが問題となります。

そこで、この記事では、仕事でワンオペ介護を行わざるを得ない介護士や、その家族、そして関心を持つ読者に対して、ワンオペ介護の現実を正確に理解し、有益な情報を提供することを目的としています。具体的には、ワンオペ介護の適法性についても掘り下げ、法的な観点からも考察します。また、ワンオペ介護がもたらす弊害やリスクについても詳しく説明し、介護者の負担軽減や介護品質の向上のための提案も行います。介護士が一人で多くの責任を担うワンオペ介護の現実について、この記事を通じて深く考えていきましょう。

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介護士が夜勤をワンオペで行う原因

夜勤におけるワンオペ介護の主な原因はずばり、介護職における人材不足です。2023年3月時点での介護職員の従事者数は、214.9万人となっています。この数は、2000年度の約55万人から、2016年度の約183万3千人に増加しており、近年は毎年約10万人ずつ増加しています。

しかし、厚生労働省の「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数」によると、2023年度には約233万人の介護職員が必要とされています。つまり、2019年度の介護職員数約211万人と比較すると、2023年度には約22万人の介護職員が不足することになります。さらに、2025年度には約32万人、2040年度には約69万人の介護職員が不足すると見込まれています。

この人材不足の問題が、夜勤におけるワンオペ介護を引き起こしています。介護士一人で複数の高齢者や患者をケアする必要があるため、負担が増大し、適切なケアを提供することが難しくなります。また、人材不足による介護士の負担が高まると、長時間労働や過度のストレス、睡眠不足などが問題となり、介護士の心身の健康にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。

このような状況を踏まえて、ワンオペ介護の問題に対しては、介護職の人材確保や労働環境の改善が求められています。人材不足を解消し、介護士が適切なケアを提供できるような体制整備を、労働者、企業、関係機関すべてが協力して整えていくことが重要です。

ワンオペ介護の適法性

ワンオペ介護、特に夜勤におけるワンオペ介護そのこと自体は、いくつかの要件を満たせば法律上の問題はありません。1つ目に、厚生労働省が定める人員配置基準を満たしていれば、違法とはなりません。介護施設では、適切な人員配置を確保しながら夜勤の介護を行わなければいけないと定められています。厚生労働省が定めた「厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準」によると、介護施設ごとの最低職員数はおおまかには次のとおりです。

  • 特別養護老人ホーム通常型の場合 利用者25人ごとに1名以上の介護職員または看護職員
  • 特別養護老人ホームユニット型の場合 2ユニットごとに1名以上の介護職員または看護職員
  • 介護老人保健施設通常型の場合 2名以上の介護職員または看護職員(利用者の人数は関係なし)
  • グループホームの場合 2ユニットごとに1名以上の介護職員または看護職員
  • 小規模多機能型居宅介護の場合 1名以上の介護職員または看護職員(利用者の人数は関係なし)
  • 短期入所生活介護単独型の場合 利用者25人ごとに1名以上の介護職員または看護職員

しかしながら、ワンオペ夜勤では、緊急時や利用者の容態急変時に適切な対応を行うことができるかどうかが問題となります。安全面を配慮すれば、夜勤帯でも2名以上の人員配置が適切であるといえるでしょう。介護施設では、利用者の安全と適切なケアを確保するという点において、適切な人員配置が重要視されます。

また、ワンオペ夜勤では、労働時間と休憩時間に関しても法律の遵守が求められます。労働基準法は、労働時間が6時間を超える場合には45分間8時間を超える場合には1時間の休憩をとれるように定めています。ワンオペ夜勤の場合でも、労働時間と休憩時間は法律によって保護されています。ただし、労働者は休憩時間には職務から完全に開放されなければならないということを踏まえると、これらの休憩時間中には緊急対応その他のために他の援助職員が必要となります。残念ですが、ワンオペ夜勤では労働者が休憩時間を自由に使えないというのが現実となっています。

ワンオペ夜勤の回数については、法律的な制限は設けられていません。ただし、夜勤専従の場合、月の夜勤回数は多くとも月に10回前後になるように調整されることが一般的です。労働者の健康と安全性を考慮し、適切な休息や労働時間の調整が求められます。

よって、ワンオペ介護は法律的には可能であるが、厚生労働省の人員配置基準や労働基準法によって一定の条件を満たさなければなりません。しかし、人材不足や介護士の負担の増大などの現実的な問題から、ワンオペ介護が事実上の違法行為として行われている可能性もあることが示唆されています。

ワンオペ介護の弊害

介護職労働者の心理的・身体的負担

タイムマネジメントの難しさ

ワンオペ介護に従事する介護職労働者は、極めて大きな心理的・身体的負担を強いられます。まず、一人で複数の高齢者や患者をケアするため、時間的な制約や負荷が非常に高いです。常に多くの人々のニーズに対応する必要があり、タイムマネジメントが難しくなります。

緊急事態への一人での対応責任

さらに、ワンオペ介護では、緊急事態への対応も一人で行う必要があります。例えば、高齢者や患者の容体が急変した場合には、即座に適切な処置を取る必要があります。このような状況では、介護職労働者は迅速な判断と行動が求められますが、一人で全ての責任を負うことにより、心理的な負担が増大します。

多忙さによるストレスと疲労感

ワンオペ介護の心理的・身体的負担は、介護職労働者の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。過度のストレスや疲労は、うつ病や不眠症などの心理的な問題を引き起こす可能性があります。また、長時間の労働や身体的な負担は、肩こりや腰痛などの身体的な症状を引き起こす可能性もあります。

これらのようなワンオペ介護の心理的・身体的負担を軽減するためには、適切な人員配置や労働環境の改善が必要です。介護職労働者の健康と福祉を守るために、雇用者には十分な休息や労働時間の適切な調整が求められます。

介護品質の低下

個別ニーズへの対応困難さ

ワンオペ介護は、介護品質の低下を引き起こす可能性があります。介護士が一人で多くの高齢者や患者をケアするため、個別のニーズに応えることが難しくなります。時間やリソースの制約から、ケアの充分な提供が困難になることがあります。例えば、介助時間の短縮やケアの優先順位の付け替えが生じる可能性があります。

見守りや監視の困難さ

さらに、ワンオペ介護では、適切な見守りや監視が困難になることもあります。高齢者や患者が事故や緊急事態に遭遇した場合、迅速な対応が求められますが、介護士が一人で全ての場所を同時に監視することは不可能です。このため、安全面やケアの品質においてリスクが高まる可能性があります。

安全面やケアの品質におけるリスクの増加

介護品質の低下は、利用者やその家族にとっても大きな懸念事項です。適切なケアが行われないことで、利用者の健康や安全に影響が及ぶ可能性があります。また、介護士自身もケアを十分に提供できないことによるモラルの低下や負担感を抱えることがあります。

ケア時間の短縮や優先順位の付け替え

ケア時間の短縮や優先順位の付け替えは、ワンオペ介護の現実において重要な課題です。介護士が一人で多くの高齢者や患者をケアするため、限られた時間内での処置や介助が求められます。しかし、これによりケアの質や充実度が低下する可能性があります。ケア時間の短縮や優先順位の付け替えは、介護士の判断とタイムマネジメント能力が試される課題です。

こういったワンオペ介護の介護品質の低下を解決するためにも、やはり適切な人員配置やサポート体制の整備が必要です。介護施設や関係機関は、利用者の安全とケアの質を確保するために、介護士の負担を軽減するための対策を講じる必要があります。

まとめ

ワンオペ介護とは、介護士が一人で複数の高齢者や患者をケアする状況を指します。このような介護の形態では、介護士は多忙さや負担の増大といった様々なリスクに直面します。時間的な制約やタスクの兼ね合いから、ケアの質が低下する可能性や、緊急事態への対応困難さが生じる可能性があります。さらに、長時間労働や過度のストレス、睡眠不足などの身体的・心理的な負担が介護士の健康に影響を及ぼす可能性もあります。

ワンオペ介護のリスクを踏まえた上で、介護職に従事している方や転職を考えている方においては、まず第一に自身の健康を最優先に考えましょう。適切な休息や労働時間の調整を心掛け、身体的・心理的な負担を軽減することが重要です。また、適切な人員配置や労働環境の改善を求めることも大切です。介護施設や関係機関に声を上げて、ケアの質を向上させるための施策を促進しましょう。さらに、自己ケアにも時間を割り当てることをおすすめします。十分な休息やリラックスの時間を確保し、心身のバランスを取ることで、介護職を継続する上での持続可能性を高めることができます。ご自身の体を適切に労って、よりよい労働環境の整備と、良質なサービスの提供を目指してください。

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