目次
今回は、介護職のキャリアステップについて、解説しています。これから介護職を目指す方も参考になる介護業界の特徴や、介護職で比較的キャリアを積みやすい企業の特徴についてもご紹介しています。
将来のキャリアはどうやって考える?
「介護職でキャリアを積んでいくためにはどうしたらいいの?」
「収入を上げるためには、どのようなキャリアを歩めばいいの?」
このように考えていらっしゃる介護職員の方も多いのではないでしょうか?
これらを解決するためには、介護職の代表的なキャリアステップについて知る必要が有ります。経験年数別に取るべき資格などもわかりやすく記載しておりますので、ご参考ください
介護職のキャリアステップを徹底解説!
介護職のキャリアステップは、大きく分けて2つのステップがあります。
1:まずは介護職のスペシャリストを目指す
2:経験を生かして新たなチャレンジを目指す
介護職のスペシャリストを目指す
介護業界においては資格が無ければ行えない業務もあり、まずは国家資格である介護福祉士を目指しつつ経験を積んで行くキャリアステップを、多くの方が歩むでしょう。介護福祉士の資格を取るためには、実務経験が最低3年以上必要であり、最終的にどのようなキャリアを歩むにしても、必須のスキルになってきます。
以下、取得を推奨される資格の詳細になります。目安年収も記載しているので参考にしましょう。
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
厚生労働省の認定資格の1つで、介護職の未経験者や無資格者のキャリアステップの第1歩となる資格です。目安年収は約340万円で、無資格者の目安年収と比べて30万円程度多いと言えるでしょう。
資格取得のためには、通学するか、もしくはオンラインや通信の講座を併用するかして、専門スクールの指定講座・演習を受講します。全130時間をかけて、主に介護の基礎知識を学び、指定カリキュラム修了後に実施される筆記試験に合格すれば、資格を取得可能です。
介護職員実務者研修(旧ホームヘルパー1級)
次のキャリアステップで解説する「介護福祉士」の取得に必要な資格で、無資格者や未経験者でも資格取得に挑戦できます。また目安年収は約350万円です。 資格を取得するためには、専門スクールに通って学ぶか、通信講座を受講するかして、450時間のカリキュラムを修了しなければなりません。資格取得のための学習を通じて、介護職員初任者研修の資格取得のために学んだ介護知識よりも、さらに幅広く実践的な介護知識を習得できます。
介護福祉士
介護福祉士は、専門知識や技術を用いて、各利用者の心身状況に応じた介護を実施したり、介護に関する指導を行ったりする介護職のプロフェッショナルです。業務を行うためには、国家試験に合格する必要があります。また、資格取得者の目安年収は約400万円です。
経験を生かして新たなチャレンジを目指す
介護福祉士として経験を積んだ先に広がっているキャリアステップになります。これまで働いてきた中での経験を元に、どのような道を自分が歩みたいか、によって大きく業務内容は変わってくるでしょう。主に5つのキャリアがあるので、紹介します。
ケアマネージャー
介護支援専門員とも呼ばれており、ケアプランの作成や介護給付費の管理などの業務を行います。また目安年収は約420万円です。業務を行うためには実務研修受講試験に合格したのち、実務研修を受講し、都道府県に登録して介護支援専門員証の交付を受けなければなりません。加えて、実務研修受講試験の受験者には、介護福祉士等の指定国家資格取得後の実務経験5年以上などの条件が定められています。
生活相談員
生活相談員は、ソーシャルワーカーとも呼ばれており、目安年収は約410万円です。主な業務として、利用者及び家族と、ケアマネジャー・地域・他機関との連携や調整、各種手続きの代行を行います。生活相談員と言う資格はありませんが、資格要件として以下などの資格取得者であることを定める自治体が多いです。
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 社会福祉主事任用資格
また、各都道府県によって資格要件には違いがあります。
施設長(管理職)
キャリアステップとして、施設の責任者である「施設長」を目指すのも良いでしょう。施設形態等によっては、施設長をホーム長や所長、センター長や管理者と呼ぶ場合もあります。施設長の目安年収は500万円で、主にデスクワークにて次のような業務を行います。
- 人材の調整・教育
- 人材・利用者・施設の管理
- 広報活動
- 行政等との連絡
施設長の資格要件は様々ですが、実務経験年数を始めとする施設長の資格要件を定めている施設形態もあるので注意しましょう。
独立・開業
独立や開業により、自身が理想とする介護施設や介護福祉事務所等を作ることもキャリアステップの1つと言えるでしょう。ただし、介護職の知識や技術だけでなく、経営の知識や資金力も必要です。
別職種
介護職の現場では、病院や看護師、リハビリ職との関わりが多いため、スキルアップとして看護師やリハビリ職を目指す場合も多くあります。特に看護師資格は、現在介護福祉士の資格があれば、学習過程の一部を免除するという新制度が検討されており、介護士よりも給料アップに繋がる可能性があります。
介護職でキャリアを積みやすい企業の特徴は?
これまで介護職のキャリアステップについて解説してきましたが、実際にキャリアを積みやすい企業の特徴とは、どのような企業でしょうか?
以下にその特徴をご紹介します。
キャリアパス制度が整っている
キャリアパス制度とは、企業の中で昇進・昇格するための基準や条件を明確に定めた人事制度のことを言います。
その為、キャリアパス制度が整っていればいるほど、従業員を大切に考えているかどうかも判断出来ますので、面接においても具体的なキャリアパスについて質問してみましょう。その際の返答として、「出来るだけ本人の希望を聞いて素養や能力によって昇進出来る」といったような返答であれば、そもそも会社の仕組みとして、無い可能性もあるので、その会社でキャリアを積むことは難しいでしょう。
資格取得支援が充実している
介護業界において、資格を取らなければ行えない業務は多いため、社員の資格取得に向けてどのような支援をしているかどうかは非常に重要な所になってきます。企業によっては、受講料を全額補助してくれたり、対策講座を開催してくれたりする制度があるので、自分の給与やスキル、キャリアをアップさせるためにも、資格取得支援の制度が充実している企業を選びましょう。
成長率が高い
意外と見落としがちな所ではありますが、成長率が高い企業もキャリアを積みやすいと言えるでしょう。なぜなら、成長率が高いということは、事業を拡大したり、新規事業を展開したりと会社が大きくなるフェーズにあり、それに伴い、管理職のポストも多くなるからです。大手の企業だと、既に管理職のポストは長く働いている社員が勤めていることが多くなりますが、中堅企業の場合、まだまだポストに空きがある可能性が高くなります。その為、大手でキャリアを積んでいくよりも、成長率の高い中堅企業などのほうが、早くキャリアを積みやすいと言えるでしょう。
まとめ
介護職のキャリアステップでは、まずは介護福祉士等の資格を取得して、介護職のスペシャリストを目指すことになることがほとんどです。将来的に自分の選択肢を広げておくためにも、キャリアを積みやすい企業を選定するようにしましょう。
キャリアを積みやすい企業の特徴は以下になります。
・キャリアパス制度が整っていること
・資格取得支援制度が充実していること
・成長率の高い企業