介護職は高齢者や障がい者の生活を支える重要な役割を担っていますが、その一方で手荒れの悩みを抱える職員も多いです。頻繁な手洗いや消毒、そして水仕事が日常的に行われるため、手の皮膚には大きな負担がかかります。本記事では、介護職における手荒れの原因や予防策、効果的なケア方法について詳しく解説します。
介護職における手荒れの主な原因4選
介護職で手荒れが発生する理由は多岐にわたります。以下に主な原因4つをご紹介します。
1. 頻繁な手洗いや消毒による乾燥と刺激
コロナ禍によって介護業界全体が消毒意識が高まった昨今では、手洗いや消毒が欠かせません。しかし、その頻度が高まることで、手の皮膚は乾燥しやすくなります。特にアルコール消毒は、肌の水分を奪うため、乾燥やひび割れを引き起こす原因となります。
介護職の方々は、1日に何度も手を洗ったり消毒したりする必要があります。これは利用者の安全を守るために必要不可欠な行為ですが、同時に手の皮膚にとっては大きな負担と乾燥の原因となります。手を洗うたびに、皮膚の表面にある天然の保湿因子や皮脂が失われていきます。特に、石鹸やアルコール消毒液は皮膚の脂質を溶かし、バリア機能を低下させてしまいます。
また、頻繁な手洗いは皮膚のpHバランスも崩します。健康な皮膚は弱酸性(pH5.5前後)を保っていますが、石鹸による洗浄はアルカリ性に傾きがちです。このpHの変化も皮膚バリア機能の低下につながり、外部刺激に対して敏感になってしまいます。
2. 水仕事による皮脂の流出
入浴介助や清拭など、水を使う業務が多い介護職では長時間水に触れることで皮脂が流れ出てしまいます。皮脂は肌のバリア機能を保つ重要な成分であり、その流出は肌荒れにつながります。
水仕事の影響は単に皮脂を洗い流すだけではありません。長時間水に浸すことで、皮膚の最外層である角質層が水分を吸収して膨潤します。その後、水分が蒸発する際に角質層内の水分も一緒に失われ、皮膚が乾燥してしまいます。これを「経皮水分蒸散」と呼びます。
さらに、水仕事の後に手を乾かす際、タオルで強くこすると角質層を傷つけてしまい、バリア機能の低下を招きます。特に冬場は、室内の乾燥した空気により水分の蒸発が早く、皮膚の乾燥がより進行しやすくなります。
3. 洗剤や消毒液の刺激による皮膚ダメージ
強力な洗剤や消毒液は、確かに感染症予防には効果的ですが、一方で皮膚への刺激も強いです。特に敏感肌の方には、これらの製品が直接的なダメージとなることがあります。
先述した水仕事に必要な洗剤や消毒液に含まれる界面活性剤は、汚れや細菌を除去する一方で、皮膚の天然保湿因子や細胞間脂質も同時に取り除いてしまいます。特に、アルコールベースの消毒液は即効性がある反面、皮膚の脱脂作用が強く、乾燥を促進させます。
また、これらの製品に含まれる香料や防腐剤などの添加物が、アレルギー反応や刺激性接触皮膚炎を引き起こす可能性もあります。長期的な使用により、皮膚が敏感になり、わずかな刺激でも反応してしまうことがあります。
4. 冬場の乾燥と寒さ
冬になると空気が乾燥し、冷たい風が肌にダメージを与えます。この時期は特に手荒れが悪化しやすくなるため、注意が必要です。寒さによって血行も悪くなるため、肌の新陳代謝も低下します。外出する機会が多い訪問看護などの職種では、特に乾燥が心配されます。
冬季は室内外の温度差も大きく、この急激な温度変化も皮膚にストレスを与えます。暖房による室内の乾燥も、皮膚の水分を奪う一因となります。さらに、寒さによる血行不良は、皮膚への栄養供給を減少させ、細胞の代謝や修復能力を低下させます。
また、寒さによって皮脂の分泌量も減少します。皮脂は皮膚を保護し、水分の蒸発を防ぐ重要な役割を果たしているため、その減少は乾燥を加速させます。これらの要因が重なり、冬場は特に手荒れが起こりやすく、また治りにくい状況となるのです。
手荒れを予防するための具体的な方法4選
手荒れを予防するためには日常生活でできる工夫が重要です。手荒れの原因が多い介護職では、他業界の人よりもハンドケアの意識を強める必要があります。以下に具体的な対策を4つご紹介します。
1. 適切な手洗い方法の実践
手洗いは感染症対策として非常に重要ですが、肌荒れを防ぐためにも次のポイントに注意して行うことが大切です。
- ぬるま湯を使用する:熱すぎず冷たすぎない温度で洗うこと。理想的な水温は32〜37度程度です。これは皮膚の温度に近く、皮脂を過度に取り除かず、かつ十分な洗浄効果が得られる温度です。
- 優しく洗う:強くこすらず、丁寧に洗うこと。ゴシゴシと強く擦ると、皮膚の角質層を傷つけてしまいます。泡立てた石鹸を手のひらで優しく包み込むように洗うのが理想的です。
- しっかりとすすぐ:石鹸成分が残らないよう十分にすすぐこと。石鹸が残っていると、皮膚を刺激し続けることになります。15秒以上かけてしっかりとすすぎましょう。
- タオルで優しく拭く:こすらず押し当てるように水分を取ること。強くこすると角質層を傷つけ、バリア機能を低下させてしまいます。清潔なタオルやペーパータオルで優しく押さえるように水分を吸い取りましょう。
これらの方法を実践することで、必要な衛生管理を行いながらも、皮膚への負担を最小限に抑えることができます。急いでいるシーンは特に手をゴシゴシと洗いたくなりますが、常日頃から丁寧な手洗いを意識することで、無意識的に丁寧な手洗いをできるようにしましょう。また、手洗い後は必ず保湿ケアを行うことが重要です。手が濡れている間に保湿クリームを塗ることで、水分を閉じ込め、乾燥を防ぐことができます。
2. 保湿クリームの選び方と使い方
保湿は手荒れ予防の基本です。以下のポイントを参考にして、自分に合った保湿クリームを選びましょう。
- 尿素やヘパリン類似物質配合の製品がおすすめ。これらの成分は高い保湿効果があり、皮膚のバリア機能を強化します。尿素は角質層に水分を引き寄せ、ヘパリン類似物質は皮膚の細胞間脂質を補充する効果があります。
- 手洗いや消毒後、こまめに塗布すること。特に、手を洗った直後、まだ少し湿り気がある状態で塗るのが効果的です。これにより、水分を閉じ込め、乾燥を防ぐことができます。
- 就寝前には厚めに塗り、綿の手袋をして寝ることで効果的。夜間は新陳代謝が活発になるため、この時間帯にしっかりと保湿することで、翌朝まで潤いが持続します。
保湿クリームの選び方には個人差があります。自分の肌質や好みに合わせて、いくつか試してみることをおすすめします。また、香料やアルコールなどの刺激性成分が含まれていないものを選ぶと、敏感肌の方でも安心して使用できます。
3. ゴム手袋の正しい使用方法
水仕事や清掃時にはゴム手袋を使用することが大切です。
- サイズ選び:自分の手に合ったサイズを選ぶ。きつすぎると血行が悪くなり、逆に緩すぎると水が入りやすくなります。指先までフィットするものを選びましょう。
- 二重手袋:内側に綿製手袋を着用すると蒸れを防げます。これにより、長時間の使用でも快適に作業ができ、手袋を外した後の乾燥も防げます。
- 使用後は内側も清潔に保ち、しっかり乾燥させること。湿ったまま放置すると雑菌が繁殖する恐れがあります。使用後は裏返して乾燥させ、次回使用時には再び表に戻して使用しましょう。
ゴム手袋の素材にも注意が必要です。ラテックスアレルギーの方は、ニトリルやビニール製の手袋を選びましょう。また、長時間の使用で手が蒸れやすい場合は、通気性のある素材や、指先に通気孔のあるタイプを選ぶのも良いでしょう。
4. 食生活や水分補給で肌の内側からケア
外からだけでなく内側からもケアすることが重要です。
- ビタミンCやEを含む食品(果物やナッツ)を摂取する。これらのビタミンは抗酸化作用があり、肌の健康維持に役立ちます。ビタミンCはコラーゲンの生成を促進し、ビタミンEは細胞膜を保護します。
- オメガ3脂肪酸(魚油など)を意識して食べる。オメガ3脂肪酸には抗炎症作用があり、肌の炎症を抑える効果が期待できます。サーモンやマグロ、サバなどの青魚、亜麻仁油などに多く含まれています。
- 十分な水分補給(1日2リットル程度)を心掛ける。適切な水分摂取は、体内の水分バランスを整え、肌の潤いを保つのに役立ちます。また、体内の老廃物の排出を促進し、肌の健康維持にも貢献します。
バランスの取れた食事を心がけることで、肌の健康だけでなく、全身の健康維持にもつながります。特に、タンパク質は肌の修復と再生に不可欠なので、適切な摂取を心がけましょう。また、過度の糖分や脂肪の摂取は避け、野菜や果物、全粒穀物などの食物繊維が豊富な食品を積極的に取り入れることをおすすめします。
まとめ
介護職では手荒れという問題は避けられない部分があります。しかし、正しい知識と日々のケアによって、そのリスクは大幅に軽減できます。頻繁な手洗いや消毒は必要ですが、その後の保湿ケアや適切な道具選びによって健康的な状態を維持することが可能です。また、症状が悪化した際には早めに皮膚科へ相談することも重要です。
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